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新製品 結晶転位高速観察装置「XS-1 Sirius」を発表

2020年9月29日

産総研・名古屋大学との共同研究において、XS-1シリーズの最新機種「XS-1 Sirius」を開発

 この度Mipox株式会社は、独自の可視光偏光技術とリアルタイム位相演算処理を融合し、半導体結晶ウェハ内部に存在する貫通転位プロファイルを高感度かつリアルタイムに可視化するXS-1シリーズの最新機種として「XS-1 Sirius」を開発致しました。
2020年10月より装置販売、及び本製品を用いた観察サービスの提供を開始致します。
「XS-1 Sirius」は、新規開発した光学観察系とウェハスキャン機能、及び画像タイリングソフトウェア、使いやすいユーザーインターフェイスを搭載した「高速観察装置」として進化を遂げ、従来機に比べ大幅な性能向上を達成しております。

なお、本製品は、共同研究体つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)において、当社と、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人名古屋大学と共同開発されました。





■特徴

 従来の半導体結晶ウェハ内部の転位観察や評価・分析は、破壊検査であるKOHエッチング法あるいは大型放射光施設を用いたX線トポグラフィ法による観察などが主であり、利便性やコストが課題でした。これらの課題に対して全く異なる光学観察という視点から解決を試みたXS-1シリーズでは、偏光に伴う結晶特有の複屈折特性(レタデーション)を利用した独自の光学観察系と位相差演算を駆使した技術によって、非破壊・ローコストで結晶内部の転位の可視化を実現しました。しかしながら高度に調整された光学系による観察と位相差演算処理による観察のタクトタイムの長さが課題となっておりました。

 「XS-1 Sirius」では、広視野レンズと高解像度のCMOSカメラを用いた新規設計の光学観察系により、ワンショットの観察あたり面積比約12倍(従来機XS-1との比較)の広範囲の観察を可能にしております。更に、新規設計の光ファイバーケーブルを採用することで従来機より高いSNでの観察が可能となり、転位の視認性向上に達成した事に加え、当社独自に開発したビューア、タイリング(画像貼り合わせ)ソフトウェアの適用により、ストレスフリーなウェハ全面観察を実現しております。

これらの新技術の組み合わせにより、従来機で数時間かかっていたウェハの全面観察において、3インチ:約4分 、4インチ:約7分、6インチ:約15分という大幅な高速化を達成致しました。

<XS-1 Siriusの特徴>
■独自の光学理論によりエッチングやX線トポに代わる画期的な結晶転位検出が可能
■複雑な調整は不要、ワークをセットするだけで高速・高精度観察が可能
■強固な躯体構造でありながら小型・軽量でフットプリントの省力化が可能
■低価格・低ランニングコスト・フリーメンテンナンス

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■用途
・半導体ウェハ、単結晶試料(SiC、GaN、ダイヤモンド、AlN、サファイア等)の内部転位の観察
・ウェハ内部歪の観察
・エピウェハ内部転位の観察 等
■構成・仕様等

※性能改善の為、予告無く機能仕様や構成(デザイン含)を変更する場合があります。この仕様は2020年9月現在のものです。
製品詳細に関するご質問は、HP「お問い合わせ」より承ります。

 今後XS-1 Siriusは、「転位カウント機能」「転位分別機能(TSD/TEDの種別判定)」等の機能付加(ソフトウェアオプションアップデート)を順次計画しており、観察機器の域を超え「ウェハ検査装置化」に向けた開発を加速させます。 また、本装置の優れた観察性能(検査性能)を皆さまに早期に広くご利用頂けるよう、装置販売と並行し「サブスクリプションサービス」の提供を予定しております。
 
Mipox株式会社は、企業使命である「塗る・切る・磨くで世界を変える」に基づき、今回開発した「XS-1 Sirius」を主とした世界最高レベルの転位可視化技術を融合させ、地球温暖化防止(省エネ)、次世代電力社会構築に不可欠なSiC、GaN等の化合物半導体ウェハ製造技術の向上に貢献して参ります。

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