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究極のパワー半導体材料「ダイヤモンドウェーハ」の
エッジ研磨加工サービスを提供
〜実用化が期待される「ダイヤモンド半導体」の歩留まり改善、量産化へ貢献~

2021年9月7日

 Mipox株式会社は、究極の次世代パワー半導体材料として期待されている「ダイヤモンド」に対して安定したエッジトリートメント加工(面取り加工、ミラー処理等)を施せる工法を確立し、同社が展開する受託研磨加工サービスの一つとして提供を開始しましたのでお知らせいたします。

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背景:次世代半導体の最先端「ダイヤモンド」への期待と課題

 「ダイヤモンド」は、半導体材料として現在主流のSiや、SiC、GaN等に比べて高い絶縁耐圧性能を有し、優れた熱伝導率(放熱特性)を持つことから「究極の半導体材料」と称されています。パワー半導体用途を筆頭に、従来にない高性能デバイスを実現させる材料として各方面から期待されており、研究機関や大学等で研究開発が活発に行われている状況です。最近では実用化に向けた大きな研究成果の発表が相次ぎ、話題を集めました。

 「ダイヤモンド」は、あらゆる物質の中で最も硬い素材である事はよく知られていますが、その反面、割れやすい、欠けやすい等、脆弱な物性を示すため、半導体材料として使える状態にするための諸加工がとても難しい素材とされています。特に、歩留まりや基板品質を確保する上で要となる「エッジトリートメント処理(面取り処理・エッジ研磨処理)」が難しく、今まで適当な工法が確立されていない状況が続いていました。

 Mipox(株)の社外監査役であり、東北大学ナノ精度加工学研究室の厨川常元教授によると、「例え、どんなに特性が優れた材料や工法が開発されても、コストが掛かるようでは普及しない」が通説であるとのこと。半導体材料として「ダイヤモンド」が普及するためには、エッジトリートメント処理を含む全ての加工工程で、生産性を兼ね備えた効率のよい工法を採用する事が不可欠であり、その確立が強く求められていました。

概要:独自の研磨技術を通じてダイヤモンドウェーハを含む脆性材料の生産性を向上

 「エッジトリートメント処理」とは、主に半導体基板(ウェーハ)の外周部に対し、研磨加工等の処理を施して滑らかにする加工のことです。 基板の強度を高め、割れや欠け等のトラブルを防ぐ効果がある他、後工程に控える平面研磨加工の安定化、異物の付着抑制(基板の清浄度確保)など、多くのメリットがあるため、一連の半導体基板製造プロセスにおいて不可欠な工程の一つです。

 弊社は、長年培ってきた超精密研磨材の製造技術を強みとして、研磨材や専用研磨装置の販売を中心に展開してきました。このたび、現在ニーズが急拡大中の「受託研磨加工サービス」を強化する一環として、独自の「研磨フィルム式エッジ研磨工法」を用いた「ダイヤモンドウェーハのエッジトリートメント加工技術」を確立しました。

ダイヤモンド基板(チップ)のエッジ研磨工程

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 各用途に豊富な実績を持つ「機械的作用(砥粒によるによる機械的な除去加工)」を主とした工法と、化学的な拡散現象を期待した「ケミカル作用」とを組み合わせ、効率よいエッジトリートメント処理を実現する「メカノケミカル研磨フィルム工法」を開発しました。国内外問わず引合いが急増しているダイヤモンド基板加工の生産能力を向上させ、ニーズに応えます。

次世代半導体のエンジニアリング研磨サービス(受託研磨サービス)について

 Mipoxの「受託研磨サービス」とは、半導体用途を中心に、ウェーハをはじめとする材料をメーカー各社からお預かりし、保有設備(研磨装置、洗浄機、検査装置)と独自の研磨材、培った知見を組み合わせることで、個々の要望に沿った研磨加工を提供するサービスです。この特殊な研磨加工を行える企業は世界的に見てもまだ少なく、国内外の半導体メーカーからのニーズが急増しています。

 従来はメーカー各社へ研磨機と研磨材のみを販売し、その後は機器のメンテナンスにより間接的に製造をサポートしていた弊社。今後は研磨技術の提供という新たなビジネスモデルを通じて、在庫リスクを減らすとともに、モノを提供するメーカーから、独自のノウハウを持ったサービス提供企業へと進化いたします。

 Mipox株式会社は、企業使命である「塗る・切る・磨くで世界を変える」に基づき、世界最高レベルの半導体研磨技術を通じて、地球温暖化防止(省エネ)、次世代電力社会構築に不可欠なSiC、GaN、ダイヤモンド等の化合物半導体ウェーハ製造技術の向上に貢献してまいります。

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